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JMAT活動日記 ~その4~

2016年6月17日

54日 活動最終日

この日も南阿蘇村での活動指示でした。

昨日の大雨による土砂災害も無く、まずは一安心です。

しかし、好天であるということは避難者の方々が自宅の様子を見るため一時帰宅されたり、被災家屋の片付けをされることが予想され、それによる体調変化やケガの急患が発生する可能性があるため構えが大切になってきます。

 

                  「久木野地区避難所周辺から臨む阿蘇外輪山」

ちょうど中央に山肌が見えている箇所は、阿蘇大橋が崩落した場所です。

 

さてこの日は、予定どおり福井大学エコーチームが南阿蘇村にてDVTのスクリーニングを行うため、各避難所にてそのサポートが我々のチームの任務で、検査前の問診と、結果により弾性ストッキングが処方された方へのサイズ計測と装着を行います。

避難所には昨日のうちにエコー検査の告知を行っておいたので、スムーズに検診を開始することができました。  

        「福井大学エコーチーム」

医師:3名・看護師:3名・技師:8名(血管用エコー:7台、心エコー:1台)

   5ヶ所の避難所にて計45名を検診し、以下の結果となりました。

   弾性ストッキング処方:16

   新鮮血栓陽性者:6

うち3名は阿蘇医療センターへ紹介(幸い外来通院で対応できる程度だったそうです) 

         「検診前の問診」

  

          「ふくらはぎの計測と弾性ストッキング装着」 

 

こうして無事任務を終え、最後のADRO本部夜ミーティングへ。

急性期から慢性期に移行するタイミングで、専門職としての職能を発揮する場はありませんでしたが、DVT検診がスムーズに遂行でき、肺塞栓の予防に寄与できたことは意義のある活動だったと思います。

安定期に入り医療支援のニーズがほぼ無くなったため、ADROの活動規模も縮小の方向で検討されていましたが、とは言えまだまだ災害支援が必要な状況に変わりはありません。 

ある避難所では“虫“が大量に発生し始めペストコントロールの必要が生じてきていたり、前回の報告にも挙げていた低栄養の問題。そして南阿蘇村では阿蘇大橋崩落のため立野病院への通院が不可能となり、ひとまず開業医で受入できることになったとはいうものの、通院手段と院外薬局への通いが困難な状況にあるということ。

避難所には高齢者の方々が目立っていたので、仮設診療所の閉鎖や救護班が撤収した後の地域医療の今後が懸念されます。(BY:Kyon)

 

                                                                                                                   ~その5へつづく~

 

chika

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